大阪市住之江区南港東に営業所を開所されたお客様よりコンテナハウスの事務所に電気を引込みたいとのご相談内容です。現場を確認したところ広い敷地にトラックトレーラーがポツンと1台駐車してるだけで事務所となるコンテナらしきものがありません。
『ん・・・事務所となるコンテナがない!おかしいぞ~』と思いつつ担当者様にお話を伺うとトラックトレーラーに載せているコンテナが事務所になるとのことでした。
ご案内いただき扉を開けると照明、分電盤、コンセント、スイッチ、換気扇などの設備が既に整っており外部には分電盤と接続してある幹線をけり出していて引込み工事をすればすぐにでも使える状態ですが分電盤のフタを開けるとブレーカーの一次側の幹線は2本、いわゆる単相2線式で100V電源しか使えない方式です。
負荷設備としてはコピー機、パソコン、冷蔵庫、電子レンジ、ケトル、外部看板照明(台数は不明)、エアコンですので既存の電気容量30Aでもなんとか持ちこたえると思いますが問題はエアコンです。
コンテナ事務所は5.8m×2.2mで約13㎡ほどの広さしかありませんが断熱効果がある通常の建物に取り付けるエアコンですと100Vで2.8KWほどの能力もあれば十分だと思いますが躯体となる建物自体が鉄で陸屋根、おまけにはめ殺しの窓で開閉できず室内はサウナ状態です。
これらの条件を考慮して能力計算したところ最低でも4.0KW以上の冷房能力がないと事務所が冷えません。100Vで4.0KWのエアコンをフル稼働させて諸々の負荷設備(電子レンジ・ケトル)など大容量の負荷設備を同時に使用した場合、過電流でブレーカーが頻繁に落ちるといったことがおこります。
そこで過剰設備にならないように電気容量を40A(10Aだけアップ)に変更、単相2線式を改修して200V電源が使えるように単相3線式に切換える工事を当店から提案させていただきました。
(同じ冷暖房能力でも200V電源のエアコンであれば電流値が100Vの半分に抑えられるメリットがあります)
既存の単相2線の分電盤をそのまま流用すると工事費は抑えられますが、こちらの現場のように環境と使用条件によっては適さない場合もあります。
当店ではこのように使用状況などを詳しくお聞きした上で現場に適した工事のご提案をさせていただいておりますのでなんなりとご相談下さいませ。
ご依頼いただき誠にありがとうございました。
当店では丁寧な施工で安全安心に『第一種電気工事士』が責任をもって作業を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
施工地域:大阪市住之江区南港東【トラックコンテナハウス事務所】
工事内容:コンテナハウス事務所への電灯引込み工事・住宅分電盤交換・外部看板灯電源増設工事・電力申請含む
広い敷地のトラックトレーラーにポツンと載っているコンテナが事務所です。車両は切り離していますので安心して下さい(笑)
電気を引き込めばすぐ使える完成した設備のコンテナハウス事務所内部です。右側にある窓が開閉できない『ハメ殺しの窓』のため夏場はサウナ状態です(汗)
単相2線式で電気容量30Aの分電盤がついていました。主幹を40Aブレーカーの単相3線式分電盤に交換して200V電源を供給できるようにように改修します。
以前、高圧機器を装柱してたと思われる鋼管柱を今回の工事では引込みポールとして流用します。
ここから鋼板塀に沿って奥の60mほど先の道路側に設置予定の看板灯電源をもっていきます。
看板灯用小型漏電ブレーカーを設置しました。タイマーを入れる場合を想定して大きめのボックスにしています。
40Aの引込み開閉器を鋼管柱に設置しました。看板用電源は、このブレーカーから電気を送ります。
デジタル積算電力計設置完了(関西電力さんのお仕事ですが・・・)
関西電力さんの引込み風景です。ちなみに大阪市住之江区南港に設置している関電柱は港湾局の土地に建柱していることが多く許可がでないと引込み工事ができません(許可が下りるのに約1ヶ月くらいかかります)
新たに設けた幹線ルートです。
引込み工事が完了した全体像です。
絶縁試験を行わなければ送電できませんが結果は良好です。
主幹40A 6回路+2回路スペースの分電盤にしています。上の左から2個目の3番回路が200Vエアコン用です。