シンワBS655照明スイッチ一体型リモコン

某有名マンションデベロッパー仕様のシンワBS655浴室暖房乾燥機の入れ替えの件で大阪市平野区のお客様からご相談いただきました。

約3年ほど前に中古物件で購入されたときから調子が悪かったようですが最近特に大きな音がして吸込みも悪くなっているので数件の業者に交換依頼したところ調査の段階でことごとく断られたとのことでした。

この機種のほとんどが天井裏高さが低い箇所に取付けられており周囲には給水管、ガス管、電線などの障害物でびっしり覆われ作業に支障をきたす点が上げられます。

あとトイレスイッチは照明と換気扇を同時に動作させる三線式仕様がほとんどで新たに電線を入線する作業があります(既設電線に接続することは基本的にはできません)

この機種独特の仕様を熟知して経験がないと調査段階で業者が及び腰になるのも無理もありません。

お客様からしたら難易度の高低が分からないので不思議に思われたかもしれませんが、普通の浴室暖房乾燥機交換とは違う特殊な機器とだけ認識していただければ幸いです。

調査の結果、本体を下に引き出して取り外しできない施工になっており障害物満載の低い天井裏でスパイラルダクトと吊りボルトの切断に加えチャンバーの切り離しなどの作業が可能かどうか不安もありましたが当店でお受けさせていただきました。

案の定、本体取り外しには時間を要しましたがなんとか撤去できてホットしたのも束の間です。

次々に問題が。。。

排気、トイレ、洗面所の配管が自在の効かないスパイラルダクトでほぼ施工されており配管の配列を変えないことには3室に接続できません。

排気側とトイレ側のスパイラルダクトを切断してフリーなアルミダクトで方向を調整するにも目標の箇所までアプローチできず作業を断念。

お客様に相談したところ浴室暖房を使うことはほとんどなく換気さえできれば問題がないとの答えをいただき洗面所側の吸込口を閉鎖して浴室とトイレの2室の普通の埋込換気扇に無事に交換させていただきました。

シンワBS655はかなりレアな施工方法なので容易に交換できる機種ではないことは間違いありません。

ことごとく業者に断られ一時はどうなることか心配されていましたが換気扇に交換できてほっとされたご様子でした。

エコサポートにご依頼いただきありがとうございました。

施工地域: 大阪市平野区O様邸【分譲マンション】
工事内容:浴室暖房乾燥機から埋込換気扇に交換工事
故障品番:シンワBS655 (2~3室タイプ)
浴室暖房乾燥機 (埋込開口寸法410mm×285mm)
交換機種:パナソニック FY-24CPK8(2部屋用)天井埋込換気扇
埋込寸法240mm角 定価¥22,700円(税別)

 

シンワBS655浴室暖房乾燥機本体

シンワBS655浴室暖房乾燥機です。本来であれば14箇所ある固定ビスを外して本体を引き下げると取り外せますが、四方直角のつばが天井裏に落とし込んでありどう足掻いてもここから本体を取り外すのは物理的に無理です。

 

シンワBS655照明スイッチ一体型リモコン

浴室照明スイッチが組み込まれた一体型リモコンになっています。因みにこのリモコンは浴室照明が点かなくなることがちょくちょくあり対策は別に電気スイッチを設けて点灯させる修理方法になります。

 

トイレ照明+換気扇同時点灯フルカラー三線式スイッチ

トイレ側は一つのスイッチで照明と換気扇を同時に点く三線式配線になっています。マンションではVAブランチ(工場で配線接続されたハーネス)になっているので解読に時間がかかるのと誤接続を防止するため三線式の場合は新たにスイッチ配線と照明配線をやり変えます。

 

トイレ側の照明とスイッチの入線

本体と連動しているトイレ照明を個別で点灯させるようにダウンライトの開口穴を利用してスイッチ配線と照明配線を入線してユニットバスの点検口に送ります。

 

ユニットバスの点検口まで入線をして浴室照明とトイレ照明を単独で点灯するように準備してから本体を外します。

 

浴室照明スイッチ

浴室照明を単独で点灯するようにしています。

 

トイレ照明スイッチ

同じくトイレ照明を単独で点灯するようにしていよいよ高難度の本体取り外しに着手できます。

 

浴室暖房乾燥機本体の取付け箇所

点検口から見える金属のスパイラルダクトの裏に本体がありますが、この状態でも確認できません。電線、給水管、ガスの障害物があり洗面に繋がっているこのダクトを切断するにも危険が満載で狭くて電動工具が思うように使えない(涙)ピンチです。。。

 

シンワBS655本体設置箇所

狭すぎて画角が収まらなかったので作業箇所をかなりショートカットしていますが、スパイラルダクトの切断、吊りボルト4箇所切断に加えこの機器独特のチャンバーを切り離して苦難の末なんとか本体撤去に成功です。矢印の鉄板に本体のつばが落とし込んであり下からは引き抜けないハメ殺し施工になっていました。

 

以前と同じように3室換気にするにはスパイラルダクトを2個所切断して配列を変更する必要がありますが、切断調整箇所までアプローチできずこれ以上作業できないことと洗面所側を閉鎖することにより風量が増幅することもあり今回はトイレ側だけ接続しています。

 

アルミジャバラを接続して換気扇本体に接続できるように準備が整ったところです。

 

本体を引き下げて取り外しできないのに本体固定用ビス穴が意味もなく14個所開けて
ありました。

 

パナソニックFY-24CPK8 2室用換気扇取付け

ビス穴の処理ですが穴だけコーキングすると余計に目立つのでSUSのビスを揉み込んでいます。換気風量についてはご覧のようにバッチリです。