三菱V-15ZMC6中間ダクトファン取付

普段目にすることがない中間ダクトファンの手抜き工事(ドレン編)をご紹介します。

今回取付けられていたのはナショナルFY-18DZ2弱結線可能形中間ダクトファン(3室用)です。当時の施工マニュアルを紐解くと強でも弱でもお好みの風量の方に結線する仕様です。

建築基準法の改正で昨今では24時間常時換気仕様になっているため換気の強弱スイッチを設けるようにしていますがFY-18DZ2も仕様は全く同じです。

当時としてはどちらの風量でもよかったので入り切りの換気スイッチだけのところが大半ですが、しっかり強弱スイッチを取付けている建物もありますので風量を一定速にするか強弱付にするかはスイッチを確認してから後継機種を選ぶことになります。

ともあれ発覚したのがドレン処理の手抜き工事です。

通常は塩ビパイプでユニットバスの排水口に処理しているはずですが浴室側のアルミダクトにドレンホースを突っ込んだだけでしかも逆勾配になっているお粗末な工事です。

このような工事をするとドレンホースを通して本体側に風量が逆流して吸込み風量が減衰してしまい水分が流れたアルミダクトはボロボロに劣化してしまいます。

ダクト内に付着したホコリに水分が混ざって泥水が降り注ぐことになり衛生的にもよくありません。

今回は給排気グリルを交換してドレン処理できるように施工をやり直しています。

メーカー施工マニュアルではドレンは必ず設けることになっていますが、手抜き工事でドレン処理を実際にはしていなかったという数多くの事例があります。

使用場所、使用状況によって異なるため一概には断言できませんが中間ダクトファンのドレン板に溜まった水が溢れたりポタポタ流れ出ることはまずないので微妙な言い方ですがドレン処理が機能していなくても問題にならなかったのではないでしょうか。

問題が生じてからでは遅いので追加料金はかかりますが給排気グリルを交換してドレン工事をしておいたほうが安心ではないかと思います。

ちなみにですが旭電業TFM-15G斜流中間ダクトファンが取付けられている現場はほとんどこの方法でドレン処理を行われているのが現状です

エコサポートにご依頼下さり誠にありがとうございました。

施工地域:大阪市大正区 S様邸【分譲マンション】
工事内容:中間ダクトファン・給排気グリル交換及びドレン工事
故障品番:ナショナル FY-18DZ2中間用ダクトファン(3室用) 弱結線可能形
交換機種:三菱 V-15ZMC6中間取付型ダクトファン(1~3室用) 定価¥27,800円(税別)
三菱 P-13GLM5丸形給排気グリル 定価¥3,200円(税別)

 

ナショナルFY-18DZ2中間ダクトファン(3室用)

ナショナルFY-18DZ2中間ダクトファン(3室用)弱結線可能形です。当時のマニュアルでは強弱どちらかの風量を選択して結線する仕様です。

 

中間ダクトファン換気扇スイッチ

今回は強風側に接続して換気スイッチも1つだけですが、建物によっては換気扇の入り切りスイッチと強弱スイッチを設けているところもあります。FY-18DZ2中間ダクトファンの後継機種を選択する場合スイッチ確認も重要なポイントになります。

 

中間ダクトファン本体側ドレン排出口

中間ダクトファン本体側のドレン口です。浴室の湿気が水分となり底面に溜まる大昔の冷蔵庫のドレン板のような仕組みです。

 

ドレン不良箇所

浴室側アルミダクトの側壁に逆勾配になったドレンホースを突っ込んだだけのなんともお粗末な工事です。まさしく形だけの工事ですが、このような手抜き工事は相当あります。まさしく『手を抜いたら手がかかる』見本のような事例です。

 

アルミダクト内部のホコリ

ドレンホースを突っ込んでいたアルミダクトの内部に大量のホコリが付着していました。仮に勾配がとれていてドレン処理されていたとするとホコリが混ざった水分がダクト内部を通ると泥水となって給排気グリルから落ちていたでしょうね。

 

浴室側給排気グリル

この給排気グリルの隙間から泥水化した水分が真下にある浴槽に落ちていたところです。手抜き工事のおかげで実際はセーフでした(苦笑)

 

スパイラルダクト切断箇所

FY-18DZ2中間ダクトファンは(3室用)で浴室、洗面、トイレ、排気に別れてダクト接続が4箇所ありますが、今回はスパイラルダクトを1箇所だけ切断して吊り調整を行います。

 

FY-18DZ2中間ダクトファン撤去

本体を吊っているボルトを外して中間ダクトファンを下ろしたとこです。

 

三菱V-15ZMC6中間ダクトファン取付

元々あったアンカーボルト位置にダクターチャンネルを対角線上に取付け三菱V-15ZMC6中間ダクトファンを吊ります。この施工法はチャンネルに入れた寸切りボルトで吊り位置調整ができるのと新たなアンカーを打つこともないので音がでません。無音工事です!!

 

ドレン排出口

給排気グリル開口の横にドレン口の穴を開けます。

 

中間ダクトファンドレン処理

アルミジャバラにドレンホースを突っ込むことなく勾配を取り新たに設けた給排気グリルに開けたドレン口から排出するようにしています。

 

ドレン抜きパイプ穴

給排気グリルの本体を取り付ければこのような仕上がりになります。アルミダクトとドレンを分離しているので浴槽に泥水が降り注ぐことはありません(笑)

 

三菱P-13GLM5丸形給排気グリル

給排気グリルをセットすればドレン抜きパイプが隠れて見えなくなります。

 

吸込みテスト

これは浴室の吸込みテストですが同じように洗面、トイレも合格です。