大阪市浪速区にある店舗の主幹ブレーカーが時々落ちるとのご相談をオーナーであるN商店様よりご依頼いただき調査にお伺いしてきました。
原因としては漏電か主幹ブレーカーの故障が考えられますが、頻繁にブレーカーが落ちればある程度まで原因を絞れますが『時々』にしか症状が出ない場合は特定するまで時間がかかるのがこの調査の難しいところです。
調査前に店舗の責任者の方に落ちたときの天候、いつ、何時頃どうような状況であったかを記憶の範囲で詳しくヒアリングさせていたたいだところ天候は分からないけど閉店して誰もいないときに落ちているとのことでした。
まずは漏電しているかどうか分電盤を開けて漏れ電流を測定したところ分岐ブレーカー6回路のうち1番回路で8.3mAほど漏電していました。(他5回路正常で問題なし)
原因が判明したのでブレーカーの誤動作は除外して漏電箇所に絞り込み調査を進めていきますが「漏電しているのになぜ主幹ブレーカーがすぐに落ちないのか?」といった疑問が生じると思います。
一般的には16mA~30mAの漏電でブレーカーを遮断しますが、測定したときは既定値以下だったので落ちなかったというのが理由です。
この分岐ブレーカー1番は電灯回路で室内照明、外灯、換気扇の負荷へと接続されており可能性の高い外灯から調査しましたが何回測定しても結果は良好で問題なし。
次に室内照明に移り測定しても問題なし。
残すはパイプファンですが、スイッチ電源から切り離して1番回路を測定したところ結果は良好ビンゴです。
壁中に隠蔽されている電源線か接続箇所、可能性としては薄い方ですがパイプファンのなかのどれかだと推測しましたがパイプファンを取外しても電源線が安易に引っ張り出せない状態だったため無駄になる可能性もありますが換気扇を取替えて直るかどうか?ダメだった場合は新たに配線をやり直す条件でオーナー様に承諾を得ました。
一週間ほど様子を見ていただき再度お伺いしましたが、その間ブレーカーが落ちたことはなかったとのことです。
取替え前に再度電源を接続してスイッチを入れ漏れ電流を測定すると0mA漏電が直っている状態です。『ん・・・パイプファンが原因ではないぞ』
この状態で正常ということは接続箇所しかありませんが確認すると絶縁被覆付圧着端子でキチンと処理されていて問題なさそうなのに何故漏電していたのかが理解できません。
エアコンのドレンの水滴が壁中でかかったのではないか?陸屋根から微妙に雨漏れしていて壁中の接続箇所に触れたのでないかなど考えられることは全て点検しましたが問題ありません。
要因はいろんな悪条件が重なって絶縁被覆付圧着端子の内側に湿気が付着して絶縁を悪くしたのはないかと思います。
接続箇所に湿気が付着しないように絶縁テープで覆い修理を完了しましたがその後、ブレーカーが落ちなくなったとのことですのでやはりこの箇所が原因だったようです。
施工地域:大阪市浪速区【販売店舗様】
工事内容:漏電調査及び点検修理 / 三菱V-12PPS7 ¥12,096円(税込定価) / パイプファン取替え
分岐ブレーカー1番回路で8.3mAの漏れ電流を測定。(まさしく漏電です)
1番分岐ブレーカーから電源を供給している負荷は室内灯、外灯、換気扇です。
測定の結果パイプファンのルートから漏電していたのでスイッチから一旦切離しました。
一週間後のパイプファン交換時に電源を復旧して再度、漏れ電流を測定します。
スイッチを投入してパイプファンを回して測定したところ結果は0mA『ん・・・漏電が直っている』
漏電していませんでしたが既設のパイプファンを取外して新しい換気扇に取替えます。
同じように絶縁被覆付圧着端子で接続した上で湿気が付着しないように絶縁テープで処理しました。
ハイプフードの網メッシュ部分がホコリで目詰まりしており実際は換気していなかったようです。外部に吐出させるはずの空気が壁中で対流して湿気の要因になった可能性もあります。(推測なので真偽はわかりませんが)
パイプファンの吸込みは良好です。
換気扇を回して最終の測定では0mA結果は良好です。
その後はブレーカーが落ちなくなったようですのでひと安心です。
まさしく『こんなことが原因でブレーカーが落ちるのか』と言いたいところです(笑)
ご依頼いただき誠にありがとうございました。
当店では丁寧な施工で安全安心に「第一種電気工事士」が責任をもって作業を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。