タイヤチェンジャ

大阪市大正区でタイヤ交換店舗を始められるT社様より低圧電力設備のご相談をいただきました。

こちらの建物には前の会社さんが使われていた低圧電力設備がそのまま残されており電力申請を行えば使える状態でしたが、現状の設備では電気容量が不足して設置する機械を動かせないため電気容量を増設して改修工事を行う依頼内容です。

いつも通りですが設置される機械の詳細と台数をお聞きしてから将来、機械の入れ替えと増設などの予定を確認させていただきます。

この打合わせは電気容量を設計する上で最も重要な事柄ですので慎重にヒアリングした結果、当面は1HPのタイヤチェンジャと5HPのパッケージ型コンプレッサーを動かすだけですが、将来某メーカーから販売されている10HPのコンプッレッサーに入れ替えを検討されていました。

将来入れ替え予定の某メーカーの10HPパッケージ型コンプレッサーですが、調べてみるとIE3の高効率モーターを搭載している機械です。

平たく言えば電力使用料やCO2の排出を大幅に抑制するモーターを搭載しているようですが、始動電流値が通常のモーターと比較して3倍ほど高いため電気容量を大きくする必要があります。

この場合だと突入電流値が217Aもあり適正ブレーカーは125Aとのことですので、タイヤチェンジャを含めると150Aの電気容量が必要になってきます。

この内容で電気容量の設計を行えば設置予定の10HPのコンプッサーを動かすのに何の支障もありませんが費用対効果を考えると、この機械だけのために工事費がかさんでも電気容量を大きくしてもよいかのかどうかの判断になるかと思います。

設置する機械は2台だけで将来コンプレーサーをどうするかという問題が残りますが、電気容量を75Aにしてコンプレーサー電源には60Aを送る提案をさせていただいました。

高効率搭載のモーターを中止していただいて60Aの電気容量で最大馬力数のコンプレッサーを導入される方がメリットがあるからです。(高効率IE3モーターでも5馬力迄なら設置可能)

当店では、お客様がご存知ないことを分かりやすくご説明させていただきムダな工事は省いてメリットある施工の提案を行っております。

エコサポートにご依頼下さり誠にありがとうございました。
当店では丁寧な施工で安全安心に「第一種電気工事士」が責任をもって作業を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

施工地域:大阪市大正区【タイヤ交換店舗 T社様】
工事内容:電気容量増設に伴う三相200V低圧電力改修工事・電力申請含む

 

三相200V60A電量計

以前の会社さんが使っていた設備ですが、引き込み線・幹線共にVVR5.5SQ-3Cで電力量計に接続されていました。この電線サイズだと適合ブレーカーが最大30Aしか取付け出来ず、今回設置する機械を動かすには電気容量が不足しているため低圧電力設備の改修を行います。

 

既設動力ブレーカー

主幹ブレーカーが30Aで15Aと20Aの分岐ブレーカーの構成になっていました。

 

木板

木板は再利用するので残しますが、既設の幹線とブレーカーは撤去します。

 

引込線・幹線改修後

電力量計の変更はありませんが引込線と幹線は許容電流の大きいCV-T14SQに改修しました。この電線であれば最大86Aまでの電流を許容できます。

 

動力ブレーカー改修後

左側が主幹ブレーカー75A・右側がタイヤチェンジャに送る20Aブレーカーです。主幹の漏電ブレーカーから5HPのコンプレッサーへ電源を送っています。

 

管路設置

上側が突き当りに設置するコンプレッサー、下側が建物の中心に設置するタイヤチェンジャまでの管路を取付けたところです。

 

コンプレッサー電源ブレーカー

パッケージ型のコンプレッサーを設置する突き当りのスペースです。機械は搬入されるまで接続は待機します。

 

5HPコンプレッサー

5HPパッケージ型コンプッレサーを設置したら60Aの電源ブレーカーが隠れてしましました(苦笑)この機械であれば30Aで十分ですが、同じ5HPでも高効率IE3規格モーターにすると60Aが必要になります。

 

タイヤチェンジャ

タイヤチェンジャに電源を接続して工事完了です。やはりこの機械が据わるとタイヤ屋さんで感じですよネ(笑)