古い分岐ブレーカー

古い建売住宅にお住まいのお客様から以前から気になっているブレーカーを分電盤に交換したいとのご相談をいただきました。

見た瞬間・・・・

なるほど~(驚)

昔の建売住宅でも主幹ブレーカが付いていない分電盤とか漏電ブレーカーが付いていないことは多々ありますが、単に木板にブレーカーを並べて電気を送っているような設備はまず見ることはありません。

同じ棟の家で外階段があり1階と2階に分かれて何世帯かが入居しているような文化住宅とかアパートならこのような設備はありえますが、戸建住宅としては考えられません。

古い住宅では事例のように分岐ブレーカーだけで電気を送っている現場はたくさんあり今までこれで使っているから問題が無いように思われる方もいらしゃいますが、その認識は間違いです。

分岐ブレーカーは容量以上電流が流れるとツマミが落ちて電気を遮断するだけの機能しかなく家の何処かで漏電していたとしてもブレーカーが落ちることはありません。

この現場での問題点は漏電ブレーカーが付いていない上に中性線に渡りをかけてすべての電流が左端のブレーカーに帰えるように接続している点です。

仮にその接続箇所の締付ビスが緩んで中性線が浮いていた場合、最悪200Vの電圧が流れてしまうので家中の白物家電はすべてアウトになり買い替えなけばならないというひじょうに危険な接続方法です。

分電盤だと欠相保護機能がありますので中性線が浮いていたとしても保護機能が働き瞬時にブレーカーを遮断するので200V電圧は流れないようになっています。

今まで何となく使っていたブレーカーですが、一連の状況をご説明させていただくとかなり驚愕されたご様子でした。

お客様からは分電盤に交換をして綺麗になったしこれから安心安全に過ごせるようになったとたいへん喜んでいただきました。

エコサポートにご依頼下さり誠にありがとうございました。
当店では丁寧な施工で安全安心に『第一種電気工事士』が責任をもって作業を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

施工地域:堺市東区高松 O様邸【戸建住宅】
工事内容:古いブレーカを住宅分電盤に交換
交換商品:パナソニック住宅分電盤
主幹3P30A 4+SP2回路 BQWB8342 商品定価¥21,340円(税別)

 

木板に取付けた古い分岐ブレーカー

古い住宅でちょくちょく見かけるのが木板にブレーカーを並べて電気を送るスタイルです。こちらは3本線の幹線の単相三線ですが白色の中性線に渡りをかけてすべての電流が左端のブレーカーに帰っています。このように現場で渡り線を加工するより分電盤を取り付けた方が遥かに手間が省けると思ますが、なぜこのような電気の取り方をしたのか理解に苦しみます。

 

古いブレーカー撤去跡

ブレーカーを撤去しましたが、分電盤を取り付けるのに電線に余長がなくすべての電線を延長することになり幹線と4回線しかありませんが、思ったより手間がかかります。

 

分電盤に交換後

すべの電線を延長して分電盤に接続したところです。あと左端の電線を整えてインシュロックで縛ると完了です。。。

 

パナソニックBQW8342横一列分電盤

ブレーカー投入前に絶縁抵抗(漏電検査)を行っていますが、正常範囲内でホッとしました。漏電したときは左端のブレーカーが瞬時に落ちるので今後は安心安全に電気をお使いいただけるのでないでしょうか!!