ブレーカーが落ちていないのに1階の照明、1階の給湯器、2階にある二部屋の照明、2階のエアコンなどあちこっちの電気が点かなくなったので原因調査と修理依頼を大阪市城東区のお客様よりご依頼いただきました。
このような状態になっている場合、例えば子供部屋の電灯・コンセントだけとかエアコンだけといった絞り込まれた箇所であれば通常分岐ブレーカーの故障が想定されますが『あちこっちの電気が点かない』ということは幾つものブレーカーが同時に故障したことになりますが、まずこのようなことは起こることはありません。
あと考えられるのは電線と電線を接続している箇所の圧着不良が原因でジョイント部分がショートしたため次々に電気が点かなくなった可能性もあります。
もしジョイント箇所のショートが原因となると既設建物では見つけるのがたいへんで見つかったとしてもアプローチ出来るかどうかかなり難易度の高い作業になりそうです。
まず、分岐ブレーカーの二次側電圧を測定してブレーカーが故障していないかどうか確認したところ・・・ん・ん・ん?
何回測定しても200V。。。これはおかしい!!!
電気が点かなくなった原因は何らかのトラブルで200V電圧がかかり100V電圧で動作するエアコン、給湯器などの家電が一瞬で壊れて使えなくなったということまでは分かりました。
ひょっとして主幹のCKS(カバースイッチ)の中性バーが溶断して200Vがかかっているのではないかと確認したところ全く異常ありません。。。おかしいなぁ・・・
増築した2階の一部は問題なく電気が使えているとのことだったので別の分電盤が2階にあるのではないかと確認したところ的中です。
ブレーカーが3回路あり電圧測定したところ全て100Vで異常なしです。
原因が分かったので不具合箇所がどこにあるのかを考えると・・・外部に開閉器があるはずだと思い確認するとピンポン~です。。。
外部にあるメーターボックス内に1階送りと2階送りに分けて引込開閉器CKS(カバースイッチ)が取付けられていて点検したところ案の定1階に電気を送っている開閉器の一次側が焼けてカバーが損傷した状態になっていました。
中にある中性バーは溶断していませんでしたがCKS(カバースイッチ)真ん中にある接地側がショートして200V電圧が1階分電盤に送電されたようです(なぜ200V電圧に変わったのかは専門的になるのでここでは割愛します)
このCKS(カバースイッチ)は古い分電盤の主幹開閉器としてよく使われていますが安全機能がまったくといってありません。
CKS(カバースイッチ)から ブレーカーに変えてさえいれば欠相を保護機能が備わっているため事例のような200V電圧はかからずツマミが落ちるだけで済んだと思います。
今回はレアなケースですが分電盤の主幹が未だに昔ながらのCKS(カバースイッチ)がついている場合、ひじょうに危険なのと事例のように200V電圧がかかると家電の修理費用も半端ではありません。
安全面も考えて漏電検知機能、欠相保護、過電流保護機能が備わった漏電ブレーカー付きの分電盤に交換されることを推奨します。
今回の工事としては外部にある引込開閉器と1階分電盤を改修して修理完了です。
エコサポートにご依頼下さり誠にありがとうございました。
当店では丁寧な施工で安全安心に『第一種電気工事士』が責任をもって作業を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
施工地域:大阪市城東区 O様邸【戸建住宅】
工事内容:住宅分電盤及び引込開閉基盤改修工事
取替商品:パナソニック住宅分電盤・コンパクトブレーカー・引込開閉器盤他
主幹3P30A 8+2回路 BQWB8382 定価¥19,800円(税抜)・定価¥1,300円(税抜)
分岐ブレーカーの電圧を計測すると7回路共200Vで送られていたのが原因で100V機器のガス給湯器、2階のエコンなどが一瞬で壊れたようです。この時点では主幹のCKS(カバースイッチ)の中性バーが溶断して200Vがかかっているのではないかと推測していましたが原因は外部にある引込開閉器でした。
2階にある分電盤ですが3回路共電圧100Vで問題ありません。この回路だけ無事だったので増築した2階の一部だけ電気が使えたというわけです。
外部のメーカーボックスに収まっているのが問題の引込開閉器CKS(カバースイッチ)です。2階に送っている開閉器は無事だったので200V電圧はかかっていません。
200V電圧がかかった問題の箇所ですがショートしてプラステックカバーまで溶かした形跡がありました。
1階と2階への送りを50A、2階は主幹無しの分電盤のため安全対策を講じて30Aの漏電ブレーカーにしています。
2階は住居ですが当時工場として使っていたときの状態で使っている1階の分電盤というかブレーカー類を撤去したところです。
あたらしい住宅分電盤を木板に取付け配線接続の準備を行いますが、電線の被覆にセメントと塗料が混ざった吹付けをしていたので電線の被覆を剥ぐのにひじょうに手間がかりました。
短い電線は途中延長してブレーカーへの接続を終えたとこです。
最後に幹線を圧着してから主幹ブレーカーに接続して工事完了です。当初に比べてかなりスッキリしました。。。これからは安全にお使いいただけるのが何よりです。