火種が見えている危険な主幹ブレーカー

ことの発端は数日前、2階のいくつかの部屋が突如停電になり電力会社に連絡して電気が使えるように応急処置をしてもらったようですが、そのときの作業担当者から『早めにブレーカー交換をして下さい』とだけ言われたそうです。その後リビングについている200Vのエアコンをつけるとブレーカー回りから焦げたような臭いがするため電気の点検修理と分電盤交換を大阪府河内長野市のお客様よりご依頼いただきました。

まずピンときたのが焦げた臭い。。。これはまずい!!!

緊急出動です。

現場に到着して電力会社が応急処置した箇所を見た瞬間、これは繋いだらアカンやろという内容でした。。。

主幹ブレーカーの1次側に接続してある幹線の1本がショートして電線被覆が水膨れ状態です。

2階のいくつかの部屋が突如停電になったのは電線がショートしたときブレーカーの接点から銅線が離れたため電源が送れなかったのではないかと思います。

電力会社が行った応急処置はブレーカーのビスを締め込み接点と電線を密着させただけだと思いますが、この状態で接続して電気を使うとどうなるか想像出来なかったのでしょうか?

ここで少し弁明しておくと建物内の電気設備はお客様の財産ですので管理責任は電力会社ではありません。よって事例のような建物内で起こった電気トラブルについては点検とアドバイスまでなら電力会社でも行いますが基本的に修理には携わりません。

良かれと思い作業したものの、この状態でブレーカーに接続したのはまずかったと思います。

それはともかく焦げた臭いがする状況を作り出すのにリビングにある200Vのエアコンをつけて暫く様子を見ていると『ジリジリ~ジリジリ~』とした音が聞こえ確認すると応急処理してビスを締め込んだ奥でなななな~と・・・ほんのりと赤く火種が灯っているではありませんか。。。

ブレーカーをすぐ遮断しましたがホンマに危なかったところです。

電流の熱でブレーカーのプラスチック部分を焼いていたことが焦げた臭いの原因でしたが、早めに気づき大事故にならなかったのは幸いです。

いろんな要因が重なってこのような状態になったと考えますが、主幹ブレーカーの遮断容量50Aに対して接続してある幹線サイズがVVR8SQ-3C(許容電流42A)の電線を使用していたのがショートした最大の原因です。

ブレーカーの遮断容量に対して電線サイズが細く長年の電流に耐えきれなかったと想像します。

これだけたくさんの電気を使われているので主幹容量を60Aの分電盤に交換したいところですが、そうすると幹線改修工事が必要になり大掛かりな工事で費用が高額になるため既設の幹線既設VVR8SQ-3C(許容電流42A)にあった主幹ブレーカー容量40Aの分電盤に交換させていただきました。

ブレーカーの遮断容量以上電流は流れませんので安心してお使いいただけると思います。

エコサポートにご依頼下さり誠にありがとうございました。
当店では丁寧な施工で安全安心に『第一種電気工事士』が責任をもって作業を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

施工地域:大阪府河内長野市 K様邸【戸建住宅】
工事内容:住宅分電盤交換工事
取替商品:パナソニック住宅分電盤・コンパクトブレーカー2P2E20A
主幹3P40A 14+2回路 BQR84142 定価¥33,000円(税抜)・定価¥1,300円(税抜)

 

火種が見えている危険な主幹ブレーカー

リビングにある200Vのエアコンをつけると焦げた臭いがする問題の分電盤です。。。状況確認のためエアコンを動作させると『ジリジリ~ジリジリ~』とした音が聞こえてきたのでどこやろうかと思いながら主幹ブレーカーを覗くとブレーカーの奥でほんのりと赤く火種がついて危険な状態でした。

 

電線の被覆が焦げている箇所

2階の電気が消えたとき電力会社に連絡して応急処置してもらい『早めにブレーカーを交換して下さい』とだけ言われたそうです。黒い電線の被覆を見ると水ぶくれ状態のひどい状況にも関わらず応急処置で接続すること事態ありえませんが大事故にならなくて幸いでした。

 

電線の被覆が粉々状態

ブレーカーから電線を取外したとたん被覆がボロボロと砕け散り絶縁がなくなった裸線の状態になっています。この状態で平然と応急処置したとは電力会社もたいしたもんですね(苦笑)

 

幹線の応急処置

電流を遮断するためブレーカーから不良箇所の電線を切り離して応急処置しています。この接続だとリビングにある200Vのエアコンは勿論ですが家の半分しか電気が点きませんが安全対策上、分電盤が入荷する2~3日の間辛抱してお使いいただきました。

 

増設分電盤

電気の使いすぎが要因ですが、主幹ブレーカーの遮断容量50Aに対して接続してある赤白黒の幹線サイズがVVR8SQ-3C(許容電流42A)の電線を使用していたのが本当の原因です。

 

分電盤の接続電線取外し

ブレーカーに接続してある電源線をすべて取外します。

 

2階増設分電場送り電源取外し

増設した分電盤の送り電源も取外します。この3回路のブレーカーも新たな分電盤に一緒に収めますが撤去してしまうとクロスを貼っていない箇所が現れ見栄えが悪いので今回は取外しません。化粧代わりのダミーですが(笑)

 

幹線の延長接続

水膨れ状態になっていた不具合箇所の黒色の電線の悪い箇所を切断して直線接続で赤白の幹線も延長して分電盤取付準備を整えたところです。

 

分電盤交換後

既設の細い幹線を太い電線に改修して主幹60Aの分電盤に交換できればベストですが工事費用が高額になるため幹線は既設VVR8SQ-3C(許容電流42A)で逆に主幹ブレーカー容量40Aの分電盤に変えて取付けています。ブレーカーの遮断容量に応じた適切な設備に改修したので今回のようなことは起こりませんので安心して電気をお使いいただけるように施工をしています。