中古分譲マンション(建築から50年以上経過した物件)を購入されたお客様よりお風呂とトイレを同時換気させるかなり古い換気扇でナショナルFV-14BTA(埋込開口寸法320mm✕270mm)の交換依頼いただいたときの事例になります。
お話では物件が古いためリフォームを済ませてから引越しされる予定で契約した業者さんに最初に交換依頼されたようですが何故か断られそうです。
それではと思われご自身で業者を探して数社、現地調査に来てくれたものの全業者とも快い返事がなく困っていたとのことでした。
同業者がお断りするほどの交換工事とはどんなものか確かめに現場にお伺いしました。やはり結論は同じで調査をすればするほど『あ!なるほど~』と断った理由がよく分かる難易度が高い内容でした。
まず、浴室側についている換気扇本体を取り外すには脚立が必要ですが、狭小すぎて脚立が広げられず危険な点、あと天井裏高さが300mmに満たないくらい低く作業スペースが確保できないなど数えれば切がない悪条件が重なっているため断っても無理ではないかなぁ~思うほどの状況です。
一番の難点は今ついている50年ほど前に製造されたナショナFV-14BTA(埋込開口寸法320mm✕270mm)と同寸法の後継機がないことです。
あと本来100mmの円形でなければならない排気のアルミジャバラを『く』の字に折曲げたり凹ましたりして換気扇本体に接続されていた点が挙げられます。
狭いスペースに無理矢理取付けした影響だと想像しますが、換気扇は形だけで当初から換気していなかったのでないかと思う施工になっていました。
仮に同寸法の後継機があったとしてもこの状況でまともな交換工事は不可能です。
そこで検討した結果、スンナリ納まる2部屋換気扇では最小サイズの埋込開口175mm角の機種を選定して換気扇交換を行いました。
この機種で何とかなるかなあぁ~と思ったのは束間で次から次に問題が発生。。。その都度、問題を解決しながら無事交換作業を終えました。
今回の現場のように換気扇が古すぎて後継機がなく交換にお悩みの場合、事例のような施工もありますので少しでも参考になれば幸いです。
エコサポートにご依頼下さり誠にありがとうございました。
施工地域:大阪府東大阪市高井田中 N樣邸【分譲マンション】
工事内容:浴室・トイレ(2部屋換気用)換気扇及びダクト交換工事
故障品番:ナショナル FV-14BTA(埋込寸法320mm✕270mm 適合パイプΦ100mm)
交換機種:東芝 DVP-T10L 商品定価¥31,800円(税抜)
(埋込寸法175mm角 適合パイプΦ100mm )
建物と同じくらい古い浴室とトイレを同時換気するナショナルFV-14BTAです。こちらは浴室側になりますが換気扇ルーバーと天面をご覧いただければいかに狭いか想像できるかと思います。
画像では見えにくいと思いますが、円形アルミジャバラを『く』の字に曲げたり凹まして無理矢理本体に接続してありました。これでは換気扇の意味がないと思います。。。
こちらはトイレに向かうアルミジャバラの接合箇所になります。ジャバラ同士を突き合わせてアルミテープが巻かれているだけなので手が触れただけで剥がれる状態でした。
外部へ吐出させる換気口と換気扇本体とのダクト接続口の位置関係と寸法を見ていだければ100mmのアルミジャバラを凹まさないと接続できなかったのがお分かりいだけるかと思います。
本体固定はビスではなく長い釘が使わており取り外しに時間を要しましたが、どうにか撤去したところです。ファンのホコリとサビでボロボロな状態です。
換気扇本体撤去後の天井裏です。如何に狭いかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
換気扇が取付けられていた320mm×270mmの埋込開口になります。浴室の横幅とあまり変わりません(苦笑)
本来であれば上記の320mm×270mmに合わせ化粧パネルを加工して取付けできればスッキリと納まりますが、そのような加工すると補強材が障害となってダクトが接続できないためこのような形になりました。アクリルパネルの色も豊富ですが、浴室はペンキを塗る予定がありお客様の指示で今回黒色を採用しています。
換気扇本体もコンパクトになり排気側接続口の向きを変えてアルミダクトを接続したところです。これでまともに換気機能が働くようになります。
狭小で障害も多く作業するのにかなり労力を要しましたが、無事取付け完了です(汗)