ナショナルFY-18DPX中間ダクトファン

築30年ほど経過したマンションで入居後換気扇を1度も交換したことがなく最近、吸込みが悪くなっているのと天井裏からかなり大きな音がしてきているとのことで大阪府松原市のお客様より交換依頼をいただきました。

今ついている機種は浴室、トイレ、洗面所の3部屋を換気しているナショナルFY-18DPXという中間ダクトファンとのことです。

型番を聞きした瞬間!!冷汗 この機種との交換はやばいと感じた瞬間です。。。

通常なら中間ダクトファンはユニットバスの点検口付近に取付けられていますが、この機種の大半が浴室側ではなく隣の洗面所側に設置されており本体を吊ってから天井と点検口を施工しているためハメ殺し(取外し出来ない)状態になっているためです。

この機種は全体的にかなり小型に設計されており吸込風量もそこそこで3部屋換気できるため天井裏高さが低く300mmほどしか確保出来ないマンションでは最適な機種だったようですが、この中間ダクトファンを交換する場合、既設の取付け状況によりかなり困難な作業になることが多く難儀な機種だからです。

特に洗面所側に450mm×450mmほどの点検口が取付けられていればほぼアウトです。

先程も説明しましたが本体を吊りこんだ後に天井を作っているのでほぼ隙間がなくボルトやダクトを外すにもアプローチ出来ないのと天井裏高さに余裕が無いため電線、水道管、ガス管などがぎっしり密集しており危なくて充電工具も思い通りに使えないため取外すだけでかなりの時間を要します。

ナショナルFY-18DPX中間ダクトファンの後継機としてパナソニックFY-18DPKC1をメーカーでは推奨していますが3室換気と風量だけ同等で本体は2回りほど大きくなり物理的に取付け出来ません。

FY-18DPXがついていて交換する場合は取付け可能な東芝DVC-12TSB1斜流ファンを選択していますが本体が小さくなれば当然が風量も40%ほど落ちます(風量が落ちても時間をかければ乾燥と換気には問題ありません)

風量が落ちるので浴室、トイレ、洗面の3室換気するには時間をかけて換気するにしても無理があるため苦肉の策として浴室とトイレの2室換気に切り替えます。あまり支障がない洗面所を省いて浴室とトイレを換気対象にすることにより風量が落ちても対応可能になる訳です。

ただこの方法も浴室、トイレ、洗面が隣接している条件でないと効果がありません。

造りによってはトイレだけが廊下を挟んで向う側に設置されていてダクトの距離が長い場合、ほぼ吸込みしませんのでこのような場合は対応できません。

今回の事例では同様の説明をさせていただきお客様ご了解の元で2室換気に切り替えています。

洗面所にある100mmの丸い吸込口は本体に接続していないので単なるダミーになりますが換気が絶対必要な浴室とトイレに関しては問題なく強力に換気しています。

ナショナルFY-18DPXが取付けられていた場合は換気風量の都合でこのような工事事例になることがありますで交換される場合には多少の犠牲と妥協が必要です。

エコサポートにご依頼下さり誠にありがとうございました。

施工地域:大阪府松原市 H様邸【分譲マンション】
工事内容:中間ダクトファン取替工事
故障品番:ナショナル FY-18DPX中間ダクトファン(3室部屋用)
交換機種:東芝 DVC-12TSB1斜流ダクトファン 定価¥19,300円(税別)

 

ナショナルFY-18DPX中間ダクトファン

ナショナルFY-18DPX中間ダクトファン(3室用)は本体高さがひじょに低くコンパクトな作りが特徴です。そのせいか天井裏高さに余裕が無いマンションでは多く採用されハメ殺し(本体が取外せない)状態で取付けれているケースが多々あります。メーカー側は後継機種としてパナソニックFY-18DPKC1を紹介していますが本体高さ230mmで縦横が400mm近くもあり大きすぎて天井裏に収まらず物理的に取付けられない問題があります。

 

浴室点検口から見たFY-18DPX中間ダクトファン

浴室のユニットバスの点検口を開けて確認したところです。手前にある金属は100mmのスパイラルダクト管で一番向う側に見えているのがFY-18DPX中間ダクトファンです。画像では分かりにくいと思いますがかなり狭い場所に取付けられているか何となく感じていただけるのではないでしょうか。

 

中間ダクトファンが吊ってある天井高さ

計測では天井裏高さが290mmほどですが障害物があるため実際の作業スペースは230mm~240mm程度しか確保できないず吊りボルト1本外すにも一苦労です(汗)

 

取外しのため中間ダクトファン1部分を解体

ボルト4本で天井から本体を吊り下げていますが奥側2本のボルト位置までアプローチ出来ずどうあがいてもボルトを外せないためダクト接続口、本体カバーなどの部品を外して可能な限り隙間を設けます。

 

アプローチ出来なかった吊りボルト

本体を外してやっと現れた奥側のボルトです。画像では簡単そうに見えますが実際は障害物があり隙間がまったくないためここまでくるのに相当な時間を要しています。

 

浴室側のダクト清掃

奥側から光が見えているのがユニットバスの点検口でスパイラルダクトは浴室の吸込口に接続されておりホコリの除去したところです。

 

新しい配管ルート

今回使用する東芝DVC-12TSB1斜流ファンはFY-18DPX中間ダクトファンと比較して吸込み風量が落ちるため3部屋を換気することは厳しいので今回は洗面所を省いて浴室とトイレ2部屋換気するのにスパイラルT型接続部材を使って施工します。

 

ワールドダクター取付け

吊り位置調整のためダクターチャンネルを取付けてたところです。右側のダクターチャンネルを固定するためボルトを締め込むにも石膏ボードが邪魔して工具がうまく使えず苦労した箇所です。

 

スパイラルT管取付け

浴室とトイレの排気管にスパイラルT型分岐管を使って接続しています。

 

東芝DVC-12TSB1斜流ファン取付け

ようやく東芝DVC-12TSB1斜流ファン本体を取付け配管接続したところです。作業スペースが確保できアプローチしやすい箇所に取付けられいれば何の問題もありませんが薄型で小型のナショナルFY-8DPX中間ダクトファン(3部屋用)が取り付いていていた箇所との交換はひじょに困難です。

 

浴室側吸込吸込グリルに溜まっていたホコリ

テッシュを吸込口に近づけるとトイレと洗面所は力弱く吸込みしているようで浴室は全く吸い込んでいないとのことでしたが、それもそのはず換気していないのは浴室側の吸込みグリルを外すと泥状になったホコリで目詰まりしていたので吸込みするはずがなく今回浴室側は新しい部材に交換しています。

 

浴室側アルミフレキ交換

劣化していた浴室側のアルミジャバラも新品に交換済みです。吸込みテストの画像はありませんが浴室、トイレ共強力に吸い込んでいます。